えじゅとホタル

あるなつのあついひ、メロンパンがおきにいりの六さいになったばか
りのえじゅはだいすきなパパといっしょにホタルがりにやってきました
そこは、えじゅがすんでいるところとはぜんぜんちがって、たかいビル
も、ぎょうれつのようなじどうしゃも、ソフトのおいしいミニストップ
も、おねえさんがもっているあかいけいたいでんわだってなあんにもあ
りません

えじゅがあったことのない、おじいさんやおばあさんがすんでいたとこ
ろです

「おじいさんもおばあさんも、おほしさまになって、えじゅをみてい
てくれているんだよ」とパパがいつもいっていました

なんだかいいにおいがします パパが、それはくさのにおいだよ、あお
いくさのにおいだよと、おしえてくれました はじめてかぐくさのにお
いでした やがて、ゆうがたがすぎて、あたりがくらくなってきて、ち
いさなあかりがあちこちにみえました

あれがホタルだよってパパがおしえてくれました。くろくてムズムズ
うごいているので、ちょっとこわかったけれどホタルをてのなかにすく
ってみました てのひらのなかにいておとなしくしているホタルと、お
はなしをしていたときです、ホタルはえじゅのてのひらからとびだして
あおいくさのうえをちいさなあかりをともしながら、くらいおそらにむ
かってとんでいきました。

「あんなにたかくあがっていって、だいじょうぶかなぁ」
えじゅはなんだかかなしくなりました

「あっ、もうあんなにたかくあがっていっちゃって。。。。」

「・・・・・・・・・・」

「なぁんだあれは、おほしさまかぁ」

えじゅはいつのまにか、ホタルをみうしなっていました えじゅがホタ
ルだとおもっておいかけていたのは、ちいさなおほしさまでした
おそらいっぱいにひろがるおほしさまでした

† ‡ †

えじゅのなつやすみは、はじまったばかりです じゅうねんごでも、に
じゅうねんごも、いつまでもほたるにあいにこようとえじゅはおもいま
した

かえりのでんしゃのなかで、えじゅはパパのてをぎゅっとにぎりしめ、
メロンパンのゆめをみながら、すやすやとねむってしまいました

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