poetry

海 太郎 詩集

未来からくる列車にのって  
    日曜動物園にやってきた

 

 

未来からくる列車にのって日曜動物園にやってきた

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   ラブ

 

夏がくればそれだけでこころがウキウキします
あなたあての短い夏の便りは
もう書き終えたけれど
今年は届けることができません


どうして暮らしていますか

朝の食事はきちんと食べていますか

仕事をぐちる口もとは
きっとひきしまっていますか

 

土曜日の夜にはいつもくりだしていた

梅田のベコーのママは元気でしょうか

エナメルのひかる靴はいてネクタイしめて

あなたと酒を飲みにいきたい

 

電話もずいぶんとだえて声も聞けないけれど

海の波に照りつけるおひさまの輝きに似た
あなたのひとみは
まだあの頃のようですか

 

あなたに打ち明けるわたしのこころは

買ったばかりのスーツのようにぎこちないけれど

遠いところでじっと
あなたを見つめています

 

旅先の喫茶店で紅茶を飲みながら窓際にすわって

あさの会話をたのしむ人達を見つめています

絵葉書にぴんとした切手をはって
あなたに届けたい

 

しかくな葉書のまんなかに

元気でと書くことだけが

精一杯のわたしの

 

あかんたれ