えじゅとホタル

あるなつのあついひ、メロンパンがおきにいりの六さいになったばか りのえじゅはだいすきなパパといっしょにホタルがりにやってきました そこは、えじゅがすんでいるところとはぜんぜんちがって、たかいビル も、ぎょうれつのようなじ … Continued

未来からくる列車

東京のメトロの駅には 不思議な生き物が住みついていて 朝早くホームに立つと のっしのっしとやってくる メトロの切符を体中に貼りつけて もうゆけるところはないよ ここから先はよした方がいいよと いいながら ゆっくりゆっくり … Continued

希望 と 願 望

希望と願望が列車に乗って 夏の短い旅を続ける 希望にははかない望みがあり 願望にはせつない望みがあった 列車の窓から過ぎていく光景は 新しく鮮やかな光にあふれていた ウキウキする旋律が聞こえていた 希望と願望の前には見知 … Continued

表札のない街

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表札のない街を歩く 名付けることの難しい植物が生い茂って 手招きを繰り返す街 近所の本屋で新聞紙大の地図を買って クリーニング店の軒先でひろげ 通りかかる人達に君の住む家を訊ねてみるが 誰も知ることのなかった君の住む家 … Continued

こんにちはをすれば

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こんにちはをすれば 必ず さよならの時はやってきます どんなに かたく永遠の愛を 誓いあったふたりにも さよならの時がやってきます おはようの はんたいことばが おやすみであるように お帰りなさいの はんたいことばが い … Continued

あいすこーひー

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くるくると まわる たいようを みていたら てんしがたくさん おりてきた てんしの はなしかける ことばなんて おきまりの ささやきごとだとおもっていたら あいすこーひーを のみにいこうという てんしときっさてんで あい … Continued

ぼくはあなたに

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僕はあなたに 触れたいのに あなたは僕に ふれたがる 僕はあなたを 知りたいのに あなたは僕を しりたがる 休日の午後に 街を歩いていたら 花屋の店先に 青い紫陽花が並んでいました ささやかで はかなげで 少しあなたに似 … Continued

エミリー・フローゲの瞳

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エミリー・フローゲの 瞳の中にある 白い雲と 蒼い湖 目を離せない ひとときも 目を離すことが 出来ない 今日 見ている姿は 明日には 見ることが出来ない もう 二度と会うことも かなわないかも 知れない エミリー・フロ … Continued

サーカスが消えた

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昔むかしね トマリアのサーカスのキャラバンが 砂漠を西へ西へ 向かっていたんだ サーカスには もちろん象もいたし ライオンや 豹だっていたらしい サーカスのキャラバンが 砂漠の中央にあるククスの湖まで あと三十八マイルに … Continued

あなたがいなくなれば

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あおい空のおおきなしろい雲に ぶら下がっては消えていく こころのひだのような 無数の思い出が いま思い出すことができない ひとがいなくなる その理由は 数え切れないほどあるけれど 閉じた本の頁に埋もれる あなたのいなくな … Continued

さよなら こんにちは

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なくなってしまったら おしまいだよ ぼくたちの海を おさかなで いっぱいにしなくっちゃ きえてしまったら それきりだよ ぼくたちの島が もうすぐ しずむ みえなくなったら もうあえない 夜空にまたたく ちいさな星の かず … Continued

おやつの時間

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梅雨空が続いていた何年か前の昼下がり、当時住んでいた稲毛駅前の 多田屋という本屋に、今では文庫本になっている谷川俊太郎の「詩っ てなんだろう」が置かれていました。正確に言うと置かれてから半年 が過ぎていました。初めて見た … Continued

ささいなことで

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ささいなことで こわれていく それは ふたりのきょりが とうかったわけではなく かたく にぎりしめている てとてがなかったわけでもない きっと かよいあうこころが じゅうぶんすぎて そのじゅうぶんさゆえに すきまに はい … Continued

さよならをいうとき

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会社の佐久間さんが昨日から 姿を見せなくなった 黒い縁のある眼鏡を いつもネクタイの端で拭きながら よわったよわったと 口癖のようにつぶやいていたかと思うと ファックスは どうして届くんだろうかと メールはこの世に何をも … Continued

えいえん

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あついお日様だって 打ち寄せる波だって おばあさまの命だって ぼくとあなたの気持ちだって なくなれば こまるものみんな えいえんは そこにあるものでも またくるもの でもない 来るはずのもの あるはずのもの いるはずのも … Continued

ねがいごと

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みどりのもりが いつまでも みどりのもりで ありますように あおいうみが なんびゃくまんねん あおいうみで ありつづけますように ながしたなみだの かずだけ きれいなゆうひが みられますように だいじなやくそく あなたと … Continued

かけくらべ

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あかるい笑顔が いつも 悲しむわたしのそばにありました しずかな街でくちずさむ唄 てを差しのべても届かない陽炎 いまはただ まつこともない静けさと すぐに走り去ってゆく いくつもの列車が巻きおこす つむじ風のリフレインに … Continued

ららばい

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ながいこと いきてきたから もうねるわ あきに かれはが おちる なつに あめが ふる てをにぎりながら あなたの くちびるをみている いくたびか かさねた はだのぬくもりが だんだんと とおくへと とおざかる もう な … Continued